Fraunhofer DAB ContentServer R8技術

放送コンテンツ生成用の信頼性に優れたワンボックス・ソリューション

Fraunhofer DAB ContentServer™ R8は、DAB（デジタル・オーディオ放送）デジタル・ラジオ規格システム向けに開発された、柔軟性と信頼性に優れた業務用放送ソリューションです。内部オーディオ・エンコーダー、リモート・オーディオ・エンコーダーのサポート、マルチメディア・データ管理、マルチプレックス生成といった機能を備えています。また、サービスとしてのContentServerをコンセプトに、リモートからアクセスして構成やシステム監視を行うことができる、ユーザー・フレンドリーで便利なWebインターフェースを搭載しています。

Fraunhofer DAB ContentServerは､次の3つの機能性を備える完全なヘッドエンドシステムです｡

• 内部音声符号化､遠隔音声エンコーダに対応
• データサービス管理用マルチメディアDataServer
• DAB Ensemble/Service Multiplexジェネレーター

応用分野と対象ユーザー

このシステムは通常、スタジオ、プレイアウト・センター、送信機サイト、またはネットワーク・プロバイダーの専用施設に設置し、完全なリモート・コントロールで管理とデータ提供を行います。コミュニティ放送局、ローカルや地域の放送事業者、ネットワーク・プロバイダーなど、いずれのお客様のニーズにも完全に適合する機能を備えています。

受信機メーカーのお客様に提供する「開発版」では、信号処理、オーディオ構成、データ・サービス、マルチプレックス・オプションについて、100%に近いテスト・カバレッジを実現することができます。

常に最新

ContentServer技術の継続開発により､放送事業者は標準規格の最新アップグレードと機能の改善を享受し､最新のDAB標準規格にも完全準拠できます｡DAB ContentServerは､EWFplusの一環である高度アラート信号送信用の自動安全警報システム（ASA）や緊急警報放送（EWS）のデジタルラジオ放送新標準規格（DAB+）に完全対応する､市場を牽引するリーダー的存在です｡

Fraunhofer DAB ContentServer R8に搭載される追加新機能は次のとおりです｡

• EWS/ASA （緊急警報用の新規DAB標準規格）対応
• ライブコンテンツの事前確認､ソース状況など､オンエア中の最新マルチプレックスを簡単に把握
• 自動によるラウドネス正規化とラウドネス規制
• 安全で信頼性の高い映像伝送プロトコル（SRT）経由での､EDI/DCPとMuxEnc/DCPストリームの入出力
• コンテンツ管理を合理化するためにゼロから開発した､新しいJournalineエンコーダとXMLフォーマット
• 右から左に書くアラビア語や､両方向の文書､タイ語やアフリカ諸語など､全地域のテキスト･プロファイルに完全対応
• SFTPなどの安全なインターフェースを追加
• 仮想マシン環境への対応改善

理想的な組み合わせ

このシステムは､地域局から国際ネットワークプロバイダーまで､あらゆる放送事業者の要件にお応えします｡音声コンテンツを提供するインターフェースは多様で用途が広く､放送事業者とネットワーク事業者の環境に直接統合できます｡

ContentServerなら､中央のサービス･マルチプレクサーが多数の地域ごとのDABネットワークにデータを送り込むDAB xSTI-Cのような革新的なネットワーク構造も実現可能です｡

ContentServerの｢開発者向け製品｣では､音声符号化サービスや音声データサービスといった､それぞれのデジタルラジオ標準規格と関連仕様の機能をほぼ完全に網羅しています｡

常時放送の継続性を確保

ContentServer技術は､高い信頼性と最高品質により､世界中で好評を博しています｡これは､強力な冗長性機能によってさらに強化されており､遠隔地のヘッドエンドを横断的に結ぶ冗長グループさえも備えています｡

主な機能の概要

• サービスとしてのContentServerというコンセプトを掲げ､構成とシステムをリモート監視するのに便利で､使いやすいウェブインターフェースを提供します｡全パラメーターに対して素早くアクセスできるクイックヘルプボックスと､関連文書項目への直接リンクを備えています｡
• 強力な監視システムにより、コンテンツ提供などのあらゆるシステム機能を管理。
• 内蔵音声エンコーダは以下の機能を備えています｡
  AES67-AoIPライブ音声入力機能 (Livewire, Ravenna)とコンシューマー型ストリーム機能(Icecast/SHOUTcast)､内蔵サウンドカード（任意の適応的再サンプリング､SRCを含む）またはファイルのアップロード機能｡さらに､遠隔音声エンコーダへの高度なサポート｡
• 受信するオーディオを増幅、減衰させ、フルスケールに対するラウドネス単位(LUFS)で指定したラウドネスの目標値に合わせ、維持する、ラウドネス正規化。
• 音源の主な不具合や無音などの信号エラーを検出した場合、ContentServerを予め設定した予備・待機音源に自動で切り替える予備のオーディオ・エンコーディング。
• オーディオの相互冗長性：新たなスマート無音検出技術の搭載により、ライブ・オーディオ入力源に不具合が生じた場合であっても、冗長性グループで構成されるすべてのContentServerから有効なマルチプレックス出力を完全に実現。
• UECP、FTP／HTTP、XML／JSON RPC APIなど、実績のあるプロトコルを使用したデータ提供。
• STI-Cを完全にサポートしているほか、すべての共通プログラムのエンコードとスケジュールが中央のサービス・マルチプレクサーによって処理され、地域別の複数のアンサンブル・マルチプレクサーに同時に配信されるというまったく新しいネットワーク構造（「拡張STI-C」）を実装できることから、柔軟性に優れた最新のネットワーク構造が実現。
• ContentServerは、元々DAB EWF（緊急警戒放送システム）用の共通警報プロトコル(CAP)インターフェースを備えているため、EWF警報放送とDAB伝送向けのEWFプログラム・コンテンツを自動生成。
• 緊急時に市民に対してジオフェンス通知ができるEWS/ASAに対応しています｡
• DAB用EDIスイッチ：この内蔵機能により、ContentServerの冗長性グループにおけるすべてのピアが同一のマルチプレックス・データストリームをEDI（電子データ交換）（DABマルチプレクサーからDAB変調器または送信機へのIPベースのディストリビューション・プロトコル）経由で下流の機器に出力。
• 限られた地域内でのマルチプレックス出力：単一のContentServerが生成する複数の小規模DABマルチプレックスは、例えば低コストのDAB構成で実現可能。
• Journalineページとしてプレイリストを自動生成：最近再生した楽曲リストはダイナミック・ラベル・プラスの情報を基に生成され、リスナーはJournalineを通じて利用可能。
• 冗長性グループオペレーションでは、2台以上のContentServerをローカル接続することができ、リモートサイト間でも機能させながら、シングル構成とデータアップロード用のインターフェース、さらにフレーム同期EDI出力による時間調整済再構成を提供。

Fraunhofer DAB ContentServer R8には、複数のエディション（オプション・パッケージ）が用意されています。各エディションの機能は異なり、一般的な使用事例のシナリオに対応しています。どのエディションも機能を追加することで拡張が可能です。

このシステムは、ハードウェアと特定のお客様向けサポート・サービスを含む完全なパッケージとして、フラウンホーファーのOEMパートナーから入手可能です。

詳細情報については、当社までお問い合わせください。